人事異動で、今までとは全然違う部署に飛ばされてしまうことってありますよね。
せっかくやりたい仕事が出来る部署につけたのにも関わらず、人事の勝手な都合ですぐに異動させられてしまったり、誰かにそのポジションを奪われてしまったり。
異動させられた側はたまったものではありませんが、会社というものは組織全体の都合で調整を行うものであり、個人の意見はそっちのけな場合がほとんどです。
時には上司の個人的な感情により、嫌がらせ目的でわざと望まない部署へ異動させられてしまうことだってあります。
私は以前、人事異動があった際に軽く反抗したのですが「じゃあ、辞めていいよ」と言われてしまい、仕方なく従うしかありませんでした。
他にも、人事異動で降格させられるなんてこともあり、もしそうなれば一気にやる気がなくなりますよね。
ただ、こういう望まない人事異動があった場合って、何もしなければその状況はしばらく続く場合がほとんどです。
では、そういった状況をなんとかするには一体どうしたらいいのでしょうか。
なぜ会社は人事異動をするのか?
ではまず、なぜ会社は「人事異動」というものを行っているのでしょうか。
1人に対して色々な仕事を振り分けられるようにしたいから
日本では、海外のように「この人はこの仕事だけね」などと厳密に定められてはいませんよね。
自分1人で実に様々な種類の業務をこなさなければならず、言うなれば「広く深く」といった感じです。
日本は村社会的な側面も強いですし、昔から「幅広く業務を担当することで成長してきた」ため、今でのそのやり方が続いています。
一応そうすることによるメリットもあって、広く深く仕事ができる人が増えれば、
- 手薄になっている部署へ回す
- 人が余っている部署から忙しい部署へ異動させる
- 他の誰かが休んでも、他の人が変わりを担う事ができる
などといった事がスムーズに行えますよね。
例えば簡単な例で言えば、飲食店で「レジしか出来ない人」と「調理しか出来ない人」しかいなければ、いざ「レジしか出来ない人」が体調不良などで休んでしまえば、代わりの人が誰もいなくなってしまいます。
そうなれば当然お店は営業出来なくなってしまいますし、会社にとっては大きな痛手です。
それを防ぐ目的もあって、常日頃から色々な業務を経験させるようにしているというわけです。
海外であれば、上記のようなことを防ぐ手段として「人をたくさん雇う」、「マニュアル化してすぐに分かるようにする」などといった対策を行っているのですが、日本では人件費の削減のため余分に人を雇ったりはしません。
日本では「お客様は神様」みたいな価値観が蔓延しているため、お店は年々競争が激しくなり、過剰なサービスが行われるようになった結果人件費を削らざるを得なくなってしまったのです。(私は海外に行った際、店員の対応の適当さに驚きました。)
上記は飲食店の一例ですが、これは他の仕事でも当てはまります。
例えば自動車設計なんかでも、「とにかくお客様に満足してもらえる車を作る」とか「出来るだけクレームが来ないようにしなければ」みたいな過剰なサービス精神によりどんどん工数やコストが増えて行き、その結果人件費を削らざるを得なくなっています。
私は以前自動車設計をしていたのですが、本当に「えっ、こんなところまでこだわる意味ある!?」って毎日思っていましたよ。
さらには、無駄な会議や、報告のためのいらない資料作り、必要のない部品の設計・・・など、村社会であるが故の無駄な部分も本当に多かったです。
お客様を過剰に意識するせいで人を雇う余裕がなくなり、そのしわ寄せが会社員に降りかかっているんですよね。
つまりまとめると、日本では人を雇う余裕が無いからこそ「誰かが欠けても他の人が補える」ようにする必要があり、そのために人事異動によって幅広く業務を経験させようとしているということです。
社員を適材適所に配置したいから
仕事をしていく上で、「この人はこっちの部署方が向いていそうだな」という事はよくあることです。
そういった場合、よりその人に活躍してもらうために人事異動によって異動させる場合もありますね。
それに人には向き不向きがありますから、たとえ希望しない部署へ異動になったとしてもそこで思わぬ才能を発揮することはよくあります。
例えば、前の部署ではイマイチ成果が出なかったのに、営業に回された途端一気に成果を出し始めた・・・など。
そういった「社員の適性を見極める」ためにも、様々な経験をさせようとして人事異動が行われます。
人事異動を望まない人にとっては迷惑な話ですが、会社がそう判断した以上はとりあえず経験してみるのも悪くないかもしれません。
社員がマンネリ化を感じるのを防ぐため
日本では「転職」に対してなぜかマイナスイメージを持つ人が多く、1つの会社で長く働く人が一般的です。
そのため雇用の流動性が低く、毎日同じ会社で同じような仕事をしなければならないためどうしても飽きてしまったりマンネリ化したりといった事が起こります。
それを防ぐ目的でも、人事異動は行われます。
会社というものは部署が違えば周囲の人間もガラリと変わりますし、担当する仕事も変わることになりますからね。
人事異動によって自分の上司が変われば仕事のやり方も変わってきますし、今までとは違う方法で業務を行うようになったりもします。
人事異動というのは、こういった「環境をリセットする」目的などでも行われます。
人事異動は原則拒否出来ない
人事異動は原則的に拒否できないものであり、これに逆らった場合は「業務命令違反」として懲戒の対象になります。
断ったからといって即クビというわけでもないですが、基本的に拒否出来ないものと考えた方がいいでしょう。
拒否できる条件としては
- 雇用契約書の内容と異なっている
- やむを得ない事情がある
- 会社側が権利を乱用している
といった場合だけなんですよね。
「雇用契約書の内容と異なっている」というのは、入社時に交わした雇用契約書に勤務地や職種が指定されていたのにも関わらず、それと違う人事異動がなされた場合は拒否出来るというものです。
「やむを得ない事情がある」というのは、例えば介護が必要な両親がいて、自分以外に面倒をみる人がいない場合は転勤を拒否できます。
最後の「会社側が権利を乱用している」というのは、上記にも少し書いたように「上司が気に入らない部下を窓際に追いやったり自己都合退職に追い込んだ」などの場合です。
しかしこの場合は、「嫌がらせであり正当ではない」ということを立証すること自体が難しく、その事実の証拠を集めなければなりません。
以上の点から、基本的には人事異動に従うしかないという結論になります。
状況が好転するまで待つのも時間がかかりますし、好転するとは限らないのもまた怖いところですね。
不満があるのなら、その会社からさっさと抜け出した方がいいかもしれません。
人事異動に不満がある時はどうしたらいい?
仕事のやり方や、将来のキャリア計画などは自分次第でどうとでもなりますが、人事異動はそうはいきません。
会社の経営方針には従うしかありませんし、上司の個人的な感情だったとしても立場が上である以上従うしかないんですよね。
人事異動に不満がある場合、結論から言えば素直に転職を考えた方が将来的に見てもプラスになります。
不満を持ち続けながら働いたところでいずれそれが爆発するかもしれませんし、望まない部署でつまらない仕事を続けるのも時間を無駄に浪費するだけです。
また、降格させられてしまった場合はモチベーションにも大きく関わってくる上、給料の減額というダメージも追うことになります。
会社の経営方針や体質はなかなか変わることはありませんから、状況が好転するまで耐え続けても結局変わらず、無駄に歳だけ取っていたという最悪な状況にもなりかねません。
それに、上記にも書きましたが人事異動というものは特別な事情がある場合のみ拒否出来ますが、まず不可能だと思った方がいいです。
人事異動を拒否しようとすれば社内での評価も下がってしまいますし、最悪の場合懲戒解雇されます。
実際に私は「異動に従うか、会社を退職するか選べ」なんて言われてしまい、言い返す言葉がありませんでした。
人事異動に不満があるなら、転職という選択肢を用意しておくことが重要
人事異動が本当に嫌であるなら、転職も視野に入れて行動した方がいいです。
- やりたくない仕事をする部署に異動させられた
- 別の支店に飛ばされ、引越しをしなければならなくなった。
- 嫌な上司が異動してきて、社内が一気に地獄になった
などの場合、そのまま続けていても不満が溜まっていく一方でしょう。
それに人事異動というのは年にそう何回も行われるものでもありませんから、しばらくそういった状況は続くと思った方がいいです。
転職という選択肢を用意しておくだけでも、本格的に嫌気がさした際にすぐに行動に移せますし、もしその間に状況が好転するようであればそれはそれでラッキーです。
もし何もしていない状態で、いざ数年経っても結局状況が変わらなかった場合どうしますか?
そうなればいざ転職しようと思ってもなかなか重い腰は上がらないものであり、無駄に歳を重ねた後だとなおさら「面倒」だとか「今さらこの年齢で転職は・・・」と、後回しにしてしまいがちです。
ですので、今すぐ転職というのが難しくてもまずは転職サイトに登録をして
- 今の自分のキャリアなら、どの業界に転職できるのか?
- 自分の年収相場はどのくらいか?
- 今、どの業界が熱いのか?
といったリサーチはしておきましょう。
転職サイトに登録したからといってすぐに転職する必要はないですし、リサーチ目的だけでも十分に役割が果たせます。
常に求人をチェックしておけば、どの業界がいま儲かっているのかといったトレンドが分かりますし、年収相場も見えてきます。
人事異動で今の会社に不満がある人は、とりあえず登録しておいて損はありませんよ。
また、もう本格的に転職活動を始めたい人であれば、オススメは転職サイトではなく転職エージェントを使う方法です。
転職エージェントは、職務経歴書の作成から面接対策などを行ってくれて、さらにあなたにマッチする求人を無料で紹介してくれる仲介サービスです。
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3社も4社も登録してしまうと、対応が追いつかなくなり逆に非効率になるので注意してください。
まとめ
人事異動に不満がある場合、そのまま待っていても状況は好転しない場合がほとんどなため、わずかな希望にすがって時間を無駄にするよりもさっさと転職してしまった方があなたの望む環境を手に入れられます。
幸い今は人手不足の影響で転職市場は活発化していますし、会社も採用に積極的です。
転職するなら今がチャンスだと言えるでしょう。
ただ、いつまでも転職市場が活発な状況が続くという保証はないため、自分が将来後悔しない道を進んでください。