将来それなりの給料がもらいたい人で機械設計をしたい人は、少し考えた方がいいかもしれません。
というのも、これからの時代設計というものは将来金銭面で困る可能性が出てきます。
今の世界情勢を見るに、これから機械設計で勝負することは厳しくなる一方となってきています。
今の日本情勢
現在、日本の賃金は低下の一途を辿っています。
物価は上がり続けているが、給料は据え置き、というより下がってきている。
働けども豊かにならない人が増えていますよね。いわゆるワーキングプアです。
そんな状態で機械設計を目指すのは危険になってきているんですよね。
今の日本は昔と違い、物を作り内需で回していた頃とは時代が変わってきている。
IT分野の発展から物の飽和、内需の減少によりものづくり業界自体に逆風が吹いています。
機械設計の実態
私は機械設計で自動車のボディの設計をやっていましたが、毎日「これ人間がやる必要ある?」と思いながら作業していました。
例えばデザイナーから上がってきた自動車のデザインを3DCAD(PCで3Dモデルを作るソフト)でモデリングする作業なんかは
将来人の手でやることは確実に無くなるはずです。
また、膨大な数の設計の決まりごと(JIS企画)を全て完璧にすることなど人の手では不可能ですよね。
それで何かしらの問題、(例えば設計ミスで組み立て出来ない、溶接の設定ミスによる強度の問題など)が起きるとその問題解決だけで莫大な時間がかかります。
多部署への連絡、どう対処するかの会議、両者の合意、修正開始、検証、会議・・・。
人の手で設計することがどれだけ非効率かを身をもって体感してきました。
あれだけ膨大で細かな設定の決まりごとがある機械設計において大勢の人間が連携をとってものを作るってかなり効率が悪い。
そしてここで重要なのが、そういった3Dへのモデリング作業や、嵌合などの様々な設定は役職の無いもしくは低い人間が担当するという事。
会社で偉くなっていくと部下の設計をチェックする側に回るほか、
それ以上に売るための戦略やデザイン、チームの統括、他社との差別化などがメインになっていき自分で設計することは無くなっていくんですよ。
会社での設計というものはそこまで立場が高くない人がやるものであり、それはつまり金銭面での将来性がないということなんです。
給料を重視するなら機械設計は厳しい世界
会社での開発の流れは大きな枠で見ると、上から順に
需要のある商品の企画
↓
販売戦略
↓
商品完成までのプロセスを明確化
↓
分担した作業をそれぞれの部署へ割り当てる
↓
部署の長が自分のチームに仕事を割り振る
↓
部下が割り当てられた仕事、設計をこなす
こんな流れになっています。
売り上げはほとんど会社が持っていき、下に行けばいくほどその取り分は少なくなっていくんです。
そして設計というものは、もっと人件費の安い中国などにやってもらった方がコストがかからない。
中国の人件費は1ヶ月3万円ですからね。
その会社で出世していければいいですが、もし出来なかった場合はずっと設計をやることになります。
そうなれば給料の面で厳しい道を進むことになるということ。
転職する際にも「設計ができます」だけでは、これから先厳しいでしょうね。
AIに仕事は奪われるわ、設計が出来るだけでは給料が高くないわで将来性がない。
その理由は、1から何か完成品を設計して実際に作り上げるまでのコストが膨大だからです。
実際にものとしての材料も必要で組み立てなども全て自分でやらなければいけず、売るとなればそれをいつくも作らなければいけないんですよ。1人では確実に無理でしょう。
IT分野だったらその技術で自分がシステムを作ることが可能ですし、一度システムを作れば大量に販売できます。実際にものとして何か材料が必要になることもありません。
しかし機械設計は「物」を必要とする時点で1人では大量生産が難しい(大量の資金が必要)ため、となれば会社に属するしかありません。
しかし、会社内で実際に設計を担当する人はその会社であまり立場の高くない人たちです。
以上の点から、設計が出来るということだけでは安定した生活を得る事は難しいと言えます。
機械設計で突き抜ける覚悟があるか?
もし設計を一生続けたいのなら、突き抜ける覚悟が必要です。
本当に好きで仕方がなく、休みの日も設計の本を読みずっと勉強するくらいの熱意がなければ厳しいでしょう。
ただ、そこまで熱中出来る人というのはほんの一握り。
そこまでの熱意がないのであれば、安易に機械設計を続けることは止めておくべきです。
何事も突き抜けた人が強いのは当然の話ですが、設計は特に上と下の差が大きい仕事です。
きちんと自分の将来を考えるのであれば、「自分にそれだけの熱意があるか?」という面はよく考えた方がいいですね。
機械設計を辞めたいなら早い方がいい
やはり機械設計の将来は内需の減少もあってかなり厳しい未来が待っていることは間違いありません。
突き抜けた一部の人だけが生き残り、それ以外の大勢の人達はAIに仕事を奪われたり、仕事そのものがなくなったりして路頭に迷う可能性があります。
それに、日々勉強が必要であるこの分野は「一生勉強し続けることが出来るか?」という面も大事になってきますね。
歳を取ってからでも積極的に新しい技術の勉強を一生続けなければならないため、心の底から機械設計が好きな人でないと待っているのは低賃金の道しかありません。
ですので、機械設計を辞めたいのであれば出来るだけ早く行動するべきです。
転職は若ければ若いほど有利ですから、これ以上無駄に歳を重ねてしまう前に動き出した方がいいかもしれません。
それに今は人手不足の影響で会社も採用に積極的ですから、職種を変えるのであれば今がチャンスですね。
とはいっても、いきなり転職というのはやはり難しいでしょうから、まずは転職サイトに登録して
- 自分の年収相場はどのくらいか?
- 自分の今のキャリアならどんな業界に行けるのか?
- どの業界が今熱いのか?
などの下調べはやっておいた方がいいです。
転職サイトに登録したからといってすぐに転職する必要はないですし、リサーチする目的だけでも十分に役割が果たせます。
常に求人をチェックしておくことで、今どの業界を狙うべきなのかといったトレンドを把握することが出来ますし、自分自身の年収相場も分かってきます。
「機械設計を辞めようかな」と考えているのであれば、とりあえず登録しておいて損はないですよ。
また、本格的に転職活動を始めたい!という人であれば、転職サイトではなく転職エージェントを利用するのがオススメです。
転職エージェントは履歴書の作成や面接対策をしてくれる他、あなたにマッチする求人を無料で教えてくれる仲介サービスです。
在職中でも登録や相談が可能ですから、まだ転職を検討している段階の人にもオススメできます。
求人を載せている会社が費用を出しているため利用者側の負担は0円ですし、非公開求人や独自求人も多くあります。
また、転職エージェントは
- 転職者が不採用になった
- 転職者が入社後、半年以内に辞めてしまった
場合はエージェント側に一切報酬が発生しないため、真剣にあなたの転職をサポートしてくれますよ。
まとめ
デザイナーなどの人の感性が問われるものや、プログラム、システムなどのITはこれから先も進化していくでしょうが、その媒体となる機械の設計が出来るだけではなかなか厳しいです。
しかし、大抵の人は将来のことをあまり考えていないため「まあ機械設計でもなんとかなるでしょ」みたいに楽観視したり、続ける理由を無理やり探したりして現実逃避をしたりします。
そういう人が、将来歳を取って手遅れになってから後悔し始めるんですよね。
手遅れになった後で嘆いたところで後の祭りですし、過去はもう二度と変えられません。
今この状況に気づくかどうか、即行動を起こせるかどうかで将来の命運が分かれることになります。
やはり、いますぐ転職は難しくても準備だけはやっておくべきですね。
上記にも書いたように、リクルートエージェントは下調べ目的だけの利用も可能ですし、実際に心の内や不安などを相談することも可能です。
例えば、「機械設計を辞めたいと思っているが、ほかに向いている仕事はなんでしょうか?」といった漠然とした質問でも、相手はプロですからあなたに合ったキャリアプランを示してくれます。
私も機械設計を辞めた際にリクルートエージェントを利用したのですが、しっかりと私の過去の経験をふまえた上で考えてくれているなと感じました。
他にもオススメの求人を紹介してくれたり、履歴書の作成や自己PR、志望動機などを考えるのも手伝ってくれたためかなり心強かったです。
利用にあたって料金は一切かかりませんから、自分の将来のことを真剣に考えるのであれば絶対に利用しておきたいサービスであることは間違いありません。