「うちに来ている派遣さん、なんでみんなやる気ないんだろう?」
なんて思っていませんか?
元派遣社員だった私が、その理由についてお話しいたします。
派遣社員のやる気がない
- 「仕事は遅いし、物覚えも悪い。やる気あるのか?」
- 「こんなんじゃ、自分でやった方が早いよ」
- 「数社からそれぞれ派遣が来ているけど、みんなやる気がないように感じる」
上記の言葉は私の父の言葉で、父も派遣の対応に頭を悩ませているようでした。
結局、色々な会社から来ている派遣社員全員が使い物にならないため、父は自分で仕事をやらざるを得ないみたいですね。
「定年間際なのになんで全部自分でやらなきゃならないの?」
って愚痴をこぼす位、派遣に対してイライラが募っている様子が伺えました。
ではなぜ、派遣社員と呼ばれる人たちは大抵の場合、やる気がないのでしょうか。
派遣社員は給料が低いから
知らない人もいるかもしれませんが、派遣社員の給料ってかなり低いです。
一体、いくらだと思いますか?
・・・。
おそらく、今あなたが想像した額よりもはるかに低いです。
父にこの質問をしたところ、「え?人並みくらいには貰ってるんじゃないの?」と言っていましたが、結論から言うと人並み以下です。
その額、手取り16万円。
どうですか?少な過ぎますよね。
しかも、この額が一生続くんですよ。
多少は昇給することもありますが、その額は正社員とは比べものにならないくらい少額です。
つまり、20代だろうが50代だろうが手取りは16万円〜20万円だということ。
派遣社員というものは、派遣元の会社にマージン(手数料みたいなもの)として給料の40%もの額を中抜きされるため、給料がかなり低いんですよね。
あなたが派遣会社から派遣社員を迎える際、自社の正社員よりも高い給料を払っていたとしても、その大部分が派遣会社の懐に入っているということです。
つまり、派遣社員の給料に回る分なんて残りカスみたいなものなんですよ。
それに派遣社員というものは、頑張れば将来的に出世が望める正社員とは違い、いくら頑張っても給料が上がりにくいです。
だから派遣は、「頑張ったところで給料は同じだし、出来るだけ楽して時間が過ぎればいいかな」って思っているんですよね。
30代、40代になっても給料が20万円程度しかもらえなければ、そりゃやる気なんて出したくても出て来ません。
この「給料が低い」という事実を知れば、派遣に対する見方はまた少し変わってくるのではないでしょうか。
おそらく今までは「給料は人並みに貰っている」と思っていたから、「お金貰ってんだからそれなりに働けよ」という怒りが出て来ていたのでは。
派遣社員は、正社員と同じ仕事を同じだけこなしても、なぜか自分の給料だけ低い(派遣会社に中抜きされてる)んです。
この不公平さも、やる気がなくなる原因のうちの1つでしょう。
いくら頑張っても意味がないから
上記の内容と少し被りますが、派遣社員というものは正社員とは違って頑張っても意味がない場合がほとんどです。
基本的に時給制ですし、極論を言えば
- 死ぬほど頑張った8時間
- 適当に時間を潰した8時間
のどちらであろうと、もらえる給料は同じ額なんですよね。
正社員であれば、たとえ貰える給料が同じだろうと一生懸命頑張れば、それが認められて出世したり昇給したりすることが出来ます。
しかし派遣社員は、いくら頑張っても時給が数百円上がる程度。
これでは「頑張る意味」なんてとてもじゃないけど見出すことは出来ませんし、モチベーションも上がらないというもの。
だったら出来るだけ楽が出来る方法を探して、適当にサボりつつお金を貰った方がいいと考えてしまうのも無理はないでしょう。
派遣という立場に劣等感を感じているから
私自身、派遣として働いていて実感したことなのですが、派遣社員として働いている人は必ずと言っていいほど劣等感を持っています。
自分で派遣という道を選んだはずなのに、
- 正社員になればよかった
- 派遣なんて見下される立場だよね
- 将来、このまま派遣だったらやばいよな
みたいなことを常に思いながら生きています。
そんな劣等感を抱いたままでは、やる気なんて出て来ません。
「劣等感があるとやる気が出ない」という理由を分かりやすく例えるなら、
例えば運動が苦手な人であれば、体育の時間にやる気なんて出なかったはずですし、ゲームがめちゃくちゃ上手い人に対して負け続けていればもうやりたくなくなってしまいますよね。
人間というものは、
- 格差がありすぎる
- 立場が違いすぎる
- 到底追いつけない
と思ってしまえば途端に追い抜くことを諦めてしまうんですよ。
派遣社員であれば、どんなに頑張っても正社員との格差なんて絶対に無くなりませんから、それによってやる気が失われてしまうということです。
まあ、それを原動力にして派遣を退職して正社員になる人もいますが、あくまで今は「派遣社員として働いている時」の話ですからね。
劣等感というものはそれだけ人間のやる気を奪ってしまうものであり、派遣社員は毎日負の感情を抱えながら生活しているんですよ。
これでは派遣社員のモチベーションが上がらないのも当然の話でしょう。
雑務しかさせてもらえないから
また、派遣社員というものは基本的に雑務しかやらせてもらえません。
派遣社員を雇う理由を考えれば分かりますが、
- 正社員の補助的な役割をやってほしい
- 正社員がやらないようなことをやってほしい
- 正社員の手が回らないような雑務をやってほしい
から、派遣を雇うわけですよね。
そうなれば必然的に、派遣社員に回ってくるような仕事は将来なんの役にも立たないような、経験が積み重ならないような雑務がほとんどです。
そんな雑務を毎日やらされていては、「毎日こんな仕事ばっかり・・・」みたいになってモチベーションなんて上がらないでしょう。
ドラマなどに出てくるような「資格やスキルを持っていて即戦力としてバリバリ働ける」派遣なんてごく少数派で、ほとんどは就活に失敗したり、失業して仕方なく派遣となった人たちです。
正社員のフォローや雑務ばかりで自暴自棄になってしまう派遣社員も多く、これもやる気が出ない原因の1つですね。
どうせ短い付き合いだし、契約を切られてもまた次の職場があるから
派遣社員というものは正社員とは違い、契約期間が定められています。
大体3ヶ月〜6ヶ月、長くても1年ほどの契約なので、基本的に長期間働くことはありません。
だから派遣社員としても「どうせすぐまた職場が変わるしな」とか「どうせ短い付き合いだし、なんて思われてもいいや」みたいな感じになってしまう人も多いです。
正社員であれば今の職場に定年まで働く可能性があるため人間関係を良くしようとしたり、将来を見据えて仕事も頑張ったりしますが、派遣社員はそうする意味が全くありません。
だから派遣社員は、「頑張っても給料は同じだし、仕事は適当にやろう。どう思われてもどうせすぐまた違う会社に派遣されるし」という考えになり、その結果やる気が出ない(出さない)ということですね。
正社員から見下されて孤立するから
私も過去に派遣として働いていたので良く分かりますが、基本的に派遣社員はバカにされて見下されます。
扱いも酷く、人間扱いされなかったり、ゴミを見るような目で見られたりといった対応をされるんですよね。
そんな態度を毎日のようにされていては、最初はやる気があったとしても徐々に失われてしまいます。
まあ、自分より弱い立場の人たちを見下してしまうのは人間の本能なので仕方のない部分もあるのですが、そうと分かっていてもやはり傷付くものです。
「派遣社員なんかになるお前が悪い。自業自得だろ」という気持ちも分かりますが、やる気を出して欲しいのであればそういった態度は控えた方がいいかもしれません。
毎日見下されて罵倒されながらでもやる気を出せなんて無茶な話ですからね。
また、こういう風に見下される立場である派遣は当然正社員とのコミュニケーションも上手くいっていないため、職場で孤立しがちです。
職場で疎外感を感じていてはやはりモチベーションも上がりませんから、派遣社員に対する態度は上辺だけでもいいので他の正社員たちと同じような対応をしてあげてくださいね。
まとめ
やはり会社でのやる気、モチベーションというものは給料や人間関係、仕事内容などで決まってくるものですから、それらの全てが最悪である派遣社員のやる気がないのは当然といえば当然だと思います。
給料と仕事内容は仕方ないにしても、人間関係はいくらでも良くすることが出来ると思いますので、ぜひ次からは派遣社員に対する態度を柔らかくしてあげてください。
人間関係が良好になるだけでも、派遣社員のやる気はだいぶ変わってくるはずです。
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