派遣社員は、仕事も定時で帰れる場合が多いし、時給もそこそこ、責任も軽く、人間関係も気楽・・・といったメリットがあります。
ですが、ここに落とし穴があるんです。
こういったメリットというのは実は若いうちだけという裏があり、将来的には正社員にかなり置いていかれる結果となります。
実際はデメリットの方が圧倒的に多いんですよ。
でも、若いうちは気がつかない人が多いんですよね。
むしろ「派遣って最高じゃん?正社員とか責任多くて大変そうだしやっぱり派遣最高」と思いがちなのが怖いところ。
きちんと将来が見える人であればすぐにそれに気がつき正社員を目指すものですが、気がつかない人はずっと気がつかないんですよ・・・。
そして、歳をとってから後悔する。
ですが、30代、40代になってから後悔したところでもう手遅れなんです。失った時間は二度と戻ってきません。
派遣として頑張り正社員登用を目指すなんてもってのほかです。
派遣のメリットは若いうちだけ
派遣というものは、中々内定をもらうのが大変な正社員と比べれば圧倒的に採用されやすく、すぐに働くことができます。
ですので、就活に疲れてしまった人が「まあ派遣でいいか」と始めたりします。
ですが、一度入ると中々そこから抜け出すことは難しくなるんですよね。
派遣の居心地の良さというか、上記にも書いたような気軽さから「派遣の方がよくね?」という勘違いまでしだす始末。
確かに、若いうちであれば新卒正社員と給料もほぼ変わらないにも関わらず派遣の方が楽なのでそう思うのも無理はないかもしれません。
しかし、歳を取っていくにつれ給料の差が目に見えるほど開いていきます。
正社員であれば30歳にもなれば何かしらの役職が付き、それとともに給料は上がります。大体平均で手取り30万円くらいです。
では派遣社員はどうでしょうか。
その実態はなんと平均で手取り21万円です。ほぼ変わっていません。多少の時給アップはするものの、正社員との差が広がっていることが分かると思います。
実際に私も以前派遣に勤めていましたが、先輩社員である30歳の男性も手取りで22万円しか貰えておらず、「もうすぐ子供が生まれるのにこれじゃあ生活できない・・・」と嘆いていましたよ。
妻と共働きで、食費を削ったりしてギリギリの生活だそうです。
つまり、派遣のメリットなんて若いうちだけなんです。歳をとればとるほど正社員との差が開きます。
将来が見える人はきちんとこれを理解し、早めに脱出するのですが気がつかない人は本当に気がつかない。
分かっているけど見ないようにしているのか、ただただ面倒なのかは分かりませんが、そうなった先に待っているのは上記に書いたような悲惨な未来です。
派遣社員と正社員の差が広がっていく理由
なぜこのように差が開くのかは、考えてみればすぐにわかりますよね。
正社員であれば、その採用目的は
- 会社の戦力
- 社員のマネジメント
- 重要な業務を任せたい
などですが、派遣を雇う目的は
- 末端の雑務をやってもらう
- いらなくなればすぐに切れる人材の確保
- 使い捨てのコマ
なんですよ。
こうして比べてみれば派遣が低賃金なのも当たり前の話で、長く働けるようなものではないということが分かってもらえると思います。
要は採用目的が「すぐに切れる人材」としてなのですから、雑務しかやらせて貰えずスキルアップもできません。
毎日同じような雑務をこなしていては30歳になっても20代と給料が変わらないのも当然ですね。
会社の業績が悪くなれば真っ先に切られるのも派遣社員。なぜなら正社員は簡単にはクビに出来ないため、まず派遣を切るからです。
もし30歳で切られたらどうしますか?なんのスキルアップも出来ないため次の派遣先もどんどん決まりにくくなっていきますし、正社員への転職なんてもっと厳しい状況になっていますよ。
正社員登用を目指すのは危険(もはやギャンブル)
たまに、「派遣として働いて大企業の正社員を目指す」という人もいますが、かなり危険です。
だって、正社員登用なんてよっぽどのことがない限りは無理なんですよ。
その理由は、「派遣のままでいてくれた方がメリットが多いから」です。
いくら仕事が出来る人であったとしても、何かの理由で出来なくなってしまうかもしれません。
例えば、病気になってしまって満足に働けなくなってしまったらどうしますか?
派遣であれば「病気で働けない?じゃあもういらない」と簡単に切れるのですが、正社員登用した後にそうなってしまえば簡単にクビにすることは出来なくなってしまうんです。
つまり、派遣として働き続けてくれた方が会社にとっては好都合だということ。
特に正社員並みに働く意識の高い派遣は最高で、「簡単に切れるのによく働く人材」として重宝されます。
でも何か大きなミスをしたり、急にやる気を無くして仕事をしなくなったらハイサヨナラ。
無能でも簡単にはクビに出来ない正社員よりも、有能な派遣の方が会社にとって好都合なんです。
わざわざ派遣社員を正社員登用なんてしないんですよね。
よっぽど部長クラスから気に入られ、推薦をもらえれば正社員登用してもらえるかもしれませんが、経営陣の何人かが反対しただけで登用は取り消しです。
こんな実態があるにも関わらず、派遣から正社員登用を目指すのはもはやギャンブルなんですよ。
正社員登用を夢見て続けたところで結局登用して貰えなければ無駄に歳だけ取る結果となり、雑務でスキルアップも出来ていないため転職も出来ませんなんて未来が待っています。
たとえ派遣で重要な仕事を任せられていたとしても、転職の際は「でも、派遣でしょ?」と言われて終わりです。日本では派遣は経歴にすらならないんです。
派遣として働いていた期間は「ただのブランク、空白期間」として見られるのが実態です。
だから、出来るだけ若いうちに転職活動をし、「正社員として入社するべき」なんですよ。
正社員登用を目指すのではなく転職で正社員を目指した方がいい
正社員登用なんてギャンブルを目指してないで、普通に転職して正社員になった方が圧倒的に有利なのはみんな分かっているはず。
それなのになぜ正社員登用を目指すのかというと、おそらく転職が面倒だからでしょう。
だったら「派遣として働き続けた方が現状維持で楽だし給料はもらえるしあわよくば正社員・・・」みたいな。
でも、そうやって続けた先に待っているのは上記に書いたような悲惨な未来です。
みんなそれを分かっているのに現状維持が楽だから行動しないんですよね。
散々至る所で派遣の未来が忠告されているのにも関わらず、「俺は大丈夫」とか「なんとかなる」とか言っている始末。
そうして歳をとって後悔して、「国が〜」「派遣切りが〜」と騒いでも言葉は悪いですが自業自得。
だって自分が面倒くさいからと転職を先延ばしにし、悲惨な未来を見て見ぬふりし続けた結果ですからね。
今やる気を出して転職活動をするかしないかで、あなたの今後の未来が大きく変わってくるのですから、今行動を起こすべきです。
「後でいいや」と先延ばしにして後悔しても二度と時間は戻ってきません。
何から始めたらいいかすら分からないのなら転職エージェントに丸投げでもなんとかなります。とにかく何か始めないと何も始まりませんよ。