新卒で就職活動をしていて正社員型派遣に興味を持っている人、結論から言うとやめておいた方がいいです。


正直、一番就職活動が有利になるのが新卒なのに派遣の道に進んでしまえば取り返しの付かない事になります。
新卒カードというものは日本においてかなり貴重。でも、この価値に気がつかず捨ててしまう人がいるんですよね。
正社員型派遣というのは、「派遣会社に正社員として入社してから客先(派遣先)に派遣される」という働き方で、その実態はただの派遣となんら変わりありません。
(普通の登録型派遣と、正社員型派遣の違いについては下記記事を参照してください。)
正社員とはいっても常に客先に派遣されているため「正社員」なんてただの飾りです。名ばかり正社員です。
客先からはただの派遣として「底辺」扱いされますし、いいところが何1つとしてありません。
今回は新卒で派遣という道を考えている人に対して、派遣の末路についてお伝えしていこうと思います。
新卒カードの貴重さをまずは認識しよう
日本において新卒カードはかなり貴重です。でも、持っている時ってその価値になかなか気がつかないんですよね。
何事も「失って初めて気がつく」とはよく言ったものです。
それを手にしている時は、別に無くなってもなんとかなるだろとか思ってしまいがちですが、失ったら最後二度と手に入りません。
それが新卒カードというものです。(大学卒業後また大学に入って卒業するというレアパターンもありますが)
こんなに貴重な物を正社員型派遣に対して使うなど愚の骨頂です。
正社員型派遣は、正社員と登録型派遣の悪いところ取り
単刀直入にいうと、正社員型派遣というのは
「普通の会社の正社員と登録型派遣の悪いところ取り」
な働き方なんですよ。
簡単なイメージとしては、給料の40%が搾取される正社員といったところ。


では早速、「なぜ正社員型派遣は、正社員と登録型派遣の悪いところ取りな働き方なのか?」という事を説明していきましょう。
まずは分かりやすいように、正社員と登録型派遣のデメリットについて挙げていきます。
正社員のデメリット
- 自由度が低い
- 責任が重い
- 残業時間が多い
登録型派遣のデメリット
- 雇用が安定していない
- 福利厚生が整っていない
- ずっと給料が上がらない
大雑把に書きましたが概ねこんなところです。
これの悪いところ取り、つまりこれら2つのデメリットを合せ持つのが正社員型派遣なんですよね。
つまり、正社員型派遣は
- 自由度が低い
- 責任が重い
- 残業時間が多い
- 雇用が安定していない
- 福利厚生が整っていない
- ずっと給料が上がらない
だという事です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
自由度が低い
まず、正社員型派遣は自由度が低いです。
自由度の低さでいえば普通の会社員と同じくらいです。
登録型の派遣であれば気軽に働けて3ヶ月後に辞めるといった事も可能ですが、正社員型派遣ではこうはいきません。
一応自社(派遣元)に正社員として入社するという形式をとっているため、辞めるにはそれなりの手続きが必要です。
まず派遣元に退職意志を伝え、派遣先と終了日を調整し引き継ぎ作業、さらに自社での引き継ぎと手続き・・・
とかなり面倒。強引な引き止めにも合いますし、辞めるのにも一苦労です。
責任が重い
登録型の派遣と違い、正社員型派遣では責任が伴います。
派遣元である自社では一応正社員扱いなため、何かをやらかせば当然説教され責任を追求されます。
派遣先の仕事であっても手を抜けばクレームが来て契約終了や給料の減額、最悪の場合懲戒解雇などすべてが自分に返ってくるんですよ。
懲戒解雇になってしまえば当然、職歴に傷がつきます。
一応自社では正社員扱いなため、「正社員として入社→懲戒解雇」という職歴になってしまうという事。
そして派遣は雑務しかやらせてもらえず、スキルアップなんて出来ません。だからといって適当にやっていると前述した通りクレームで大変なことになります。
逆に派遣先の正社員と同じ働きぶりを求めてくる派遣先も多少は存在しますが、稼ぎの40%も自社に取られているのに派遣先の正社員と同じ仕事をしなければいけないのも結構なつらさです。
残業時間が多い
正社員型派遣は残業時間も多いです。
派遣先正社員と合わせなければならないため、どうしても残業時間が伸びます。
派遣だから少ないというわけではないんですよ。
さらには、派遣先での仕事が終わった後に自社に戻ってさらに働かなくてはいけない日まである始末です。
労働時間で言ったらブラック企業と大差ないですね。
雇用が安定していない
正社員型派遣は派遣先から切られてしまえば即、自社へ撤退となりそこで再度研修を行います。
一見、登録型派遣と比べれば職を失う危険性は無いように見えますね。
しかし、歳をとって40歳くらいになれば、なかなか派遣先が決まらなくなります。
客先(派遣先)も従順な使いやすい若い人が欲しいため、年寄りなんていらないんですよ。
派遣先が決まらなくなればその後、どうなると思いますか?
会社(派遣元)ごとクビにされます。
いくら面接の際に、

と言われたとしても信じてはいけません。
それは若いうちだけの話で、歳をとって派遣先が決まらなくなってくれば簡単にクビにされるんですよ。
クビというものは普通の会社であれば中々ならないのですが、正社員派遣では「派遣先が6ヶ月以上決まらなければクビにできる」ようになっています。
つまり、雇用が安定しているなんて大嘘なんですよ。
福利厚生が整っていない
次に福利厚生ですが、登録型と比べれば整っていますが普通の会社と比べればゴミカスです。
有給が取れるかどうかも結局は派遣先次第で決まってくるし、賞与なんてもらえません。
面接の際に言われる、

という言葉は、あくまで「登録型派遣よりは」です。
福利厚生がわりかし整っている正社員型派遣会社もあるようですが、給料が搾取されているためわざわざ正社員型派遣を選ぶメリットがありません。
普通の会社の正社員であれば福利厚生が整っている上に給料も搾取されませんからね。
ずっと給料が上がらない
そして給料ですが、結論から言うと上がりません。
多少は時給アップなどもしますが、普通の会社の正社員と比べたら雀の涙です。
まあ、稼ぎの40%も取られていれば当然の話ですが。
30代、40代になっても手取り20万円程度でどうやって生きていけと言うのでしょう。
そして、派遣先が決まらなくなればクビにされてさよならです。
正社員型派遣は搾取ビジネス
正社員型派遣のメリットも考えてみましたが、1つもありませんでした。まさに悪いところ取り。
オブラートに包まず言うと、正社員型派遣は搾取ビジネスです。
自分の稼ぎから40%も引かれていて給料も低いわ、登録型のような自由度もないわ、正社員のような雇用の安定もないわで最悪としか言いようがありません。
正社員型派遣は、とりあえず採用して客先に送り出しさえすれば利益が入ってくるため採用に必死です。
ですので、ろくに調べもせず適当に就職活動をしてしまう人は正社員型派遣の罠に引っかかる可能性が高い。
新卒カードを正社員型派遣に使うなんてアホの極みですので、しっかりと調べた上で就職活動を行いましょう。
やはり、こういった罠に引っかからないようにするためにも就職エージェントはしっかりと活用するべきです。
就職エージェントはこうした変な求人を除外し、あなたに合った求人を紹介してくれる他、面倒な履歴書の作成から面接対策まで幅広くサポートしてくれるサービスのこと。
キャリア面談をしてもらうことも可能で、「自分が何をやりたいのか分からない」といった人も今まで気がつかなかったキャリアを見つけることが可能。
これをうまく活用すれば、正社員型派遣といった底辺に進んでしまうことを防げます。
大手であれば「キャリアチケット」がオススメで、就職成功実績や求人の数も圧倒的なためこれを選んでおけば間違いないです。
入社してから後悔しても二度と新卒カードは返ってこないため、就職活動に手を抜かないようにしてくださいね。
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