営業というのは向き不向きが大きく分かれる仕事ですから、
「果たして自分はこれからも営業としてやっていけるのだろうか・・・」
という不安を感じている人は多いです。
まずはなぜ自分がつらい、辞めたいと思うようになったのかを明確にしましょう。
ノルマがきつい
営業をやっているが辞めたいと思う理由で多いのが、この「ノルマがきつい」ということですね。
ノルマとは売り上げ目標のことで、「今月中にいくら売らなければならない」という制約です。
これが達成出来なければかなり厳しく怒られますし、給料を減らされてしまったり、出世も遠のいてしまいます。
さらに酷いところだと「朝礼でみんなの前で叱責される」などといった、いじめに近いことをされる会社もあります。
会社としてはそうすることで何としてでも売らせようとしているのでしょうが、やられた方としては溜まったものではありませんね。
営業が得意な人であれば逆にノルマはやる気が出る要因になるでしょうが、営業が苦手であればこれが重くのしかかって来ることになります。
しかもノルマというのは毎月リセットされて0からになりますから、一生楽になることはありません。
- 「今月はなんとか達成出来たけど、来月は大丈夫だろうか」
- 「ああ、月が変わってしまった。今月もなんとしてでも達成しなければ・・・。」
- 「やばい、月末が近づいているのにまだ全然達成出来そうにない!」
など、心の休まる時なんて、余裕を持って今月のノルマを達成出来た時だけです。
まあそんな余裕も、月が変わってしまえば一気に吹き飛んでしまうのですが・・・。
人間関係のストレス
どこの会社で働くにしても人間関係は付き物ですが、営業というのは特に関わる人間が増えます。
様々なお客様と関わらなければなりませんし、中には横暴な人もいるでしょう。
また、営業成績が良くないと社内の人間関係も悪くなり、自分の居場所がなくなる可能性もあります。
「人間関係」というのはいつも退職理由の第一位に居座っているくらい多くの人が抱えている悩みですが、営業だとそれがさらに顕著になりますね。
結果が全てという成果至上主義がつらい
営業というものは労働時間ではなく、完全に結果で判断されます。
いくら頑張って長時間働こうが、結果が出せなければ評価はドン底です。
成果が分かりやすく数字として現れるため、それが取れなければ何もしていないのと同じ事だと判断されてしまいます。
「こんなに頑張っているのに・・・」と自分を責めてしまい、辞めたくなる人はとても多いです。
営業に向いていない人の特徴
冒頭でも説明したように、営業という仕事は向き不向きが大きく出る仕事です。
自分に向いていなければただつらいだけと言っても過言ではなく、毎日消耗してしまうだけでしょう。
では、一体どんな人が営業には向いていないのでしょうか。
コミュニケーション能力が低い人
まず最初に挙げられるのが、やはり「コミュニケーション能力が低い人」です。
営業というものは直接お客様と対面し、自社の商品やサービスをアピールしなければなりませんから、口下手であったり話が下手くそであれば魅力的に思ってもらえず結果が出せません。
また、毎日何人も初めて会う人と会話する必要があり、初対面の人に対して笑顔で振る舞い続けることが精神的に苦痛である人には向いていない職業です。
なお、自分ではコミュ力が高いと思っている人であっても、きちんと相手の質問に対する意図を理解して返答出来ない人も営業に向いているとは言えません。
人と関わるのが苦手または嫌いである人
そもそも、人と関わること自体が苦手であれば、営業職は向いていないどころかただ苦痛なだけです。
上記にも書いたように毎日多くの人と会うわけですから、ある程度人と関わることが好きでなければ絶対に続きません。
もし、対人関係が苦手なのにも関わらず会社の都合で営業に回されてしまったのであれば、早めに転職したほうがいいでしょう。
些細なことでストレスを感じやすい人
営業という仕事はストレスが多く、
- 商品やサービスの成約が取れない
- ノルマが達成出来ない
- 初対面の人と沢山会わなければならない
- 横暴な態度のお客様に苦労する
- 結果が出ない焦り
- 社内や社外の人間関係
などといった精神的ストレスを受け流せる人でなければ続きません。
中にはストレス耐性が強い人もいて、これらのことが全く気にならないか、多少気になっても一晩眠れば全て忘れられるという適性をもつ人もいます。
ストレスというのは同じ事柄でも人によって感じ方やその度合いが違ってきますから、そういったストレス耐性が低かったり、上手く発散出来ない人であればいつか限界を迎えてしまいます。
「ちょっとしたことでも気になってしまう」など自分に思い当たる節があるのであれば、営業に向いていないと思ったほうがいいでしょう。
ノルマ達成のための逆算が出来ない人
逆算して計算出来ない人も、ノルマを達成するまでの道筋を明確に出来ないため営業には向いていません。
例えば、「今月のノルマはあと〇〇だから、〇〇件の成約を取らなければならなくて、そのためには多めに見積もって〇〇件の営業訪問が必要で、そのためには〇〇件のアポイントが必要だから、今日中に〇〇件のテレアポを取らなければならない」
など、ノルマ達成のための項目を逆算して動かなければなりません。
ノルマ達成のために「今」やるべきことを自力で判断出来ない人は、営業には向いてないと言えます。
営業の種類を変えたらやっていけそうか?
営業を辞めたいと思ったとしても、営業には様々な種類があります。
たまたま今やっている営業の種類が向いていないだけかもしれませんから、まずはその種類について知っておきましょう。
法人営業と個人営業
まず、営業というのは会社に対して営業する「法人営業」か、一般個人に対して営業を行う「個人営業」の2種類があります。
法人営業であれば、お客様は会社組織の一員として対応するため、商品やサービスの成約も「会社のお金」であるため自分のお金を差し出すという感覚はありません。
その一方で個人営業は、一般個人に対して商品を買ってもらうことになるため、買う側としても「自分のお金から支払う」という感覚があります。
論理的に説明するのが得意であれば法人営業、相手の感情に訴えかけて商品を買ってもらうことが得意であれば個人営業が向いているでしょう。
新規営業と既存営業
法人営業と個人営業の中でも、「新たにお客様先を獲得する」か、「すでに獲得したお客様先に営業に行く」かの2種類に分けられます。
前者は「新規営業」で、後者は「既存営業(既存フォロー、ルート営業)」です。
新規営業は、新規のお客様と対面し、ゼロから信用を積み上げていくことになります。
ただ、やはり難易度は高く、より自社の商品やサービスを魅力的に話せるセールストークを持っていなければ厳しいと言えます。
既存営業は、すでに獲得しているお客様からの要望を聞き、改善と提案をする仕事です。
物事をより正確に分析をしたり、具体的な改善策を示せる人に向いています。
また、人間関係をより長期的に継続させて行くことが得意な人にも適性があるでしょう。
営業の本質に納得出来ず辞めていく人も多い
ただ、営業という仕事の本質は「いらないものを売る」という仕事です。
この部分が納得出来ない人も、やはり営業を辞めていきますね。
「売ればクレーム、売らなければ上司からの叱責」などの板挟みに大きなストレスを抱える人も多いです。
ではなぜ、営業の本質が「いらないものを売る仕事」なのかと言えば、まず最初に個人営業を例に説明すると「本当に必要なものであれば営業なんてする必要がない」からです。
例えば、生きていく上で必要な食料はスーパーやコンビニなどで安く手に入りますし、そのほかの雑貨(シャンプー、歯ブラシ、洗剤など)もドラッグストアに行けばいくらでも買う事ができますよね。
これらの物というのは当然誰もが必要としているため、こういったものを売るために営業をしている人というのは見たことがありません。
そのほか、移動に必要な車や、生活をより便利にするための冷蔵庫や洗濯機なども電気屋に行けば手に入りますし、これらを売るために色々な場所を回ってセールスする人というのもやはり皆無です。
つまり、「本当に必要なもの」というのはいちいち営業しなくてもバンバン売れるということであり、わざわざ営業にコストを割くメリットが無いということ。
それなのになぜ営業という仕事があるのかと言えば、「絶対に必要とは言えない」物を売るために存在しています。
たとえばジャパネットなどを見てみれば分かりますが、本当に生活に必要なものがありますか?
「デジカメ」や「布団をコンパクトに収納出来る商品」など、なくても困らないものばかりです。
それに、「それらが本当に欲しいか?」と聞かれれば、答えは「無くても別にいい」でしょう。
まあ、中には趣味などで本当にデジカメが欲しい人や、部屋が狭すぎるため布団をコンパクトにしまえる商品が欲しいという人もいるかもしれません。
ですが、これらの商品を「いらないと思っている人に対してもなんとか買わせようとする」ために営業という仕事が存在します。
それに、今の時代はこれだけインターネットが発達している世の中です。
「存在自体知らなかったから、営業してくれてよかったよ」なんて人は本当に少数派でしょう。
要は営業って、いらないと思っている人に対して「いかに欲しいと思わせるか?」という仕事なんですよ。
本当に欲しかったら、すでにもう買っているはずですからね。
また、法人営業の場合であっても、必ずしも「これを導入すればあの会社はもっと良くなる」と思えるものを営業するわけではありません。
それでも自社の売り上げやノルマのためには営業するしかなく、「本当に良いと思うものを営業しているわけじゃないから後ろめたい」と罪悪感を感じる人は多いです。
こういった部分が嫌になり、
- 「こんなものを営業して本当にいいんだろうか」
- 「なんでこんな仕事してるんだろう」
- 「いらないものを売りつけるために何件も回らなきゃ行けないのが本当にストレス」
と、精神的にダメージを受けてしまう人はやはり多いですし、実際に多くの人が転職していく業種です。
営業を続けられそうにないと思ったら転職を検討
こういった営業の本質に納得出来なかったり、そもそも人間関係やノルマがつらかったりして「自分に営業は向いていない」と思ったのであれば、やはり別の業界に転職した方がいいでしょう。
幸い今は人手不足の影響で会社も採用に積極的ですから、仕事はいくらでもあります。
・・・とは言っても、いきなり転職というのも難しいでしょうから、まずは転職サイトに登録をして
- 今の自分のキャリアなら、どの業界に転職できるのか?
- 自分の年収相場はいくらなのか?
- 今、どの業界が熱いのか?
といったリサーチをしておきましょう。
転職サイトに登録したからといってすぐに転職する必要はないですし、リサーチ目的だけでも十分に役割が果たせます。
常に求人をチェックしておけば、どの業界が儲かっているのかといったトレンドが分かりますし、年収の相場も見えてきます。
営業を辞めたいと考えているのであれば、とりあえず登録しておいて損はありませんよ。
また、もう本格的に転職活動を始めてみようかなという人であれば、オススメは転職サイトではなく転職エージェントを使う方法です。
転職エージェントは、職務経歴書の作成から面接対策などを行ってくれて、さらにあなたにマッチする求人を無料で紹介してくれる仲介サービスです。
在職中でも登録や相談が可能なため、まだ転職を検討している段階の人にもオススメできます。
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また、転職エージェントは「転職者が不採用になった」または「転職者が入社した後、半年経たずに辞めてしまった」場合は稼ぎが一切発生しないため、真剣にあなたの転職をサポートしてくれます。
転職エージェントは、国内最大手の
と、外資系に強い
あたりを使えばいいでしょう。
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(外資系に興味がないならリクルートエージェントだけでOK)
3社も4社も登録してしまうと、対応が追いつかなくなって逆に非効率になるので注意してください。
まとめ
営業は本当に向き不向きが分かれる仕事なので、合わないと思ったのであれば早めに転職した方がいいです。
適性がなければ、何年経っても売り上げを上げることは出来ないでしょう。
それに、いくら今が仕事に溢れているといっても、そんな状況がいつまでも続くという保証はありません。
まずは上記にも書いたように、リサーチをしてみるところから始めてみてください。