よく、「転職はブランクがあると不利になる」なんて聞きますよね。
実際のところ、これってどうなんでしょうか。
結論から言えば、やはりブランク期間がある場合は無い場合と比べて不利になってしまう可能性が高いです。
一般的な転職期間は大体3ヶ月程度であり、それ以上のブランク(空白期間)があればやはり会社もその理由が気になります。
多めに見積もって半年程度ならギリギリ気にならないかもしれませんが、それ以上になれば確実に「前の会社を辞めてから一体何をして過ごしていたのかな」と思われてしまいますね。
ですが、そういったブランク期間を上手く説明することさえ出来れば、内定を得ることはそれほど難しいことではありません。
ブランク期間がある人は「ブランク期間があるがゆえの転職戦略」というものがありますし、それを知っているかいないかの問題なんです。
ブランク(空白期間)は、会社にとってどのくらい気になるものなのか?
実際、転職面接の際にブランク期間というものはどれほど気になるものなのでしょうか。
人事担当者に調査したデータによると、実に9割もの人事が「ブランク期間があると気になる」と回答しています。
その理由は以下の通りで、
- 仕事に対する意欲が無いのではないか
- 能力が低いから長期間採用されなかっただけではないか
- 辞めてから時間が経っているため、業務のカンが鈍っているのではないか
などの不安が生じるからです。
1つ1つ詳しく見ていきましょう。
1、仕事に対する意欲が無いのではないか
ブランク(空白期間)がある場合、やはり会社としては「この人は働く事に消極的だからギリギリになるまで転職活動を始めなかったのではないか」と思うものです。
日本では会社に勤めている状態が平常であり、会社を辞めたのであればすぐに転職活動をして出来る限り空白期間を作らずに働き続ける人が大半です。それ以外の生き方は、どうしても異常だと思われてしまいますね。
海外のように、「仕事を辞めてしばらく休暇を取って、貯金が尽きたからまた就職」という生き方は理解してくれません。
また、「たとえ採用したとしても、果たしてこの人は熱意を持ってやってくれるだろうか」という心配もあるでしょう。
2、能力が低いから長期間採用されなかっただけではないか
また、「ただ単に能力が低いから、仕事に就きたくてもずっと不採用が続いただけではないか」とも思われます。
転職面接の際は、
- やる気はあるか
- 即戦力になるかどうか
- 現段階では即戦力にはならなくても、将来成長しうる素質はあるか
などといった面を見られるため、「これらの要素が不足しているから長期間不採用だっただけでは」と思われてしまうという事ですね。
3、辞めてから時間が経っているため、カンが鈍っているのではないか
ここでいうカンというのは、一般常識である社会人マナーや、仕事の進め方などといった能力の事です。
もう少し詳しく挙げるのであれば、
- 計画性
- リスク管理能力
- 思考の柔軟性
- 自分を客観的に見る能力
などですね。
やはり、しばらく仕事から離れていればそういった能力は多少なりとも鈍っているものですから、会社はそういった面を気にします。
ブランク(空白期間)を説明する際は、会社が不安に思う事を払拭しよう
ここまで、ブランクがある人に対する人事の不安について挙げてきましたが、要は上記に書いたような「会社が不安に思う事」を払拭してあげれば良いわけですね。
そのためには、「いかにブランク期間を上手く説明するか」が大事です。
空白期間にしていた事を面接官に上手く伝える事が出来れば、内定を得ることは難しい話ではありません。
以下に場合別の解答例を挙げていきますので、面接の際の参考にしてください。
ブランク(空白期間)の、場合別解答例
では早速、場合別の解答例を見ていきましょう。
(空白期間に何をしていたかというのは人によって違いますので、それぞれのケースに分けて例を挙げていきます。)
特に何もしていなかった場合
特に何もしていなかった場合は、
- 理想とする会社になかなか出会えなかった
- 自己探求をしていた
のどちらかを話しましょう。
1は、「転職活動はしていたものの、マッチングが上手くいかなかった」ということをアピールできます。
会社は長期間働くものですから、慎重になるのは当然のことです。
「なぜ上手くいかなかったのか」という点も含めて説明しましょう。
2は、空白期間は自己探求のために必要だったとアピールする事が重要になってきます。
- 自分を見つめ直す事ができた
- 本当にやりたいことを見つける事が出来た
- 仕事のストレスで追い込まれていたが、十分な休養によって解消する事ができた
など、しっかりと自信を持って話せば大丈夫ですね。
ただ、デメリットとしては面接官によって捉え方が違うため、「甘えでは無いか」と思われる可能性はあります。
同じ理由を話したとしても、相手によっては好意的に捉えてくれたり、またはその逆だったりするものです。
もし正直に理由を言った際に良い反応が得られなかった場合は、単純に「相性が合わなかった」と切り替えて次に進んだ方がいいですね。
資格の勉強をしていた場合
資格の習得を目指していた場合は、「なぜ資格を取ろうと思ったのか」を説明しましょう。
たとえば、
- 「資格を習得する事で、より即戦力として活躍出来るのではないかと考えました」
- 「御社は前職とは異なる職種のため、まずは資格の習得が最優先だと判断しました」
- 「なかなか内定を頂けず自分の実力不足を痛感したため、資格を習得する事でより力を身に付ける事に致しました」
などですね。
実際に資格が取得出来ていれば大きなアピールポイントになりますし、実力の証明にもなります。
もしたとえ取得するまでには至らなかった場合であっても、その努力は認めてくれるはずです。
病気、怪我の場合
この場合は、「それがどんな影響を与えそうか」という点を重視して説明しましょう。
会社としてはやはり、以前病気や怪我をしていた人を採用するのは少し慎重になるもの。
一番良いのは、「すでに完治しており、業務に影響を及ぼす事はありません」という事をしっかりと伝える事です。
また、こういった休養期間中にも何かスキルアップになるような事に取り組んでいたという事をアピール出来るとなお良いですね。
海外留学の場合
グローバル化している現代では、海外留学は強力なアピールポイントになります。
留学を通して英語力が向上した事や、それによってTOIECの点数が上がった事などをアピールしていきましょう。
また、日本にいるだけの人よりも海外の人達との交流経験も多いでしょうから、そういった点も伝えられると良いですね。
海外旅行の場合
ただ単に海外へ旅行しただけであっても、貴重な経験をしているという事に間違いはありません。
様々な外国人との交流や、海外の文化などに触れた事で学んだ点、変化した価値観などを伝えていきましょう。
「海外ならではの経験」をしっかりとアピール出来れば好評価に繋がりますし、印象もUPします。
フリーランスをしていた場合
フリーランスをしていたという事は、自分で仕事を探したり期限までに間に合わせたりと、全て自分で管理・計画をして仕事を行ってきたはずです。
そういった自己管理能力は大きなアピールポイントになりますから、そういった点を積極的に伝えていきましょう。
会社も「自主的に行動出来る人」を欲していますし、やはり主体的な行動が出来る人は重宝されますね。
取り組んでいた事だけを話すのではなく「そこから何を学んだか」を話す
空白期間の説明としては、ただ単に「〇〇をしていました」だけでは不十分です。
面接官は、「その活動を行なった動機や、それを通して学んだ事」を知りたがっています。
ですから、「前職では〇〇が足りないと自覚したため、前の会社を退職してから〇〇に取り組んでいた」など、動機と学んだ事をセットで話すと良いでしょう。
離職期間を無駄に過ごしていたわけではないというアピールができますし、印象もアップします。
ブランク(空白期間)の間に何もしていない場合は?
もし、空白期間が「ただ単にダラダラしていただけ」であった場合、どう説明したら良いのか迷いますよね。
正直に言うべきなのか、それとも多少は嘘をついてでも印象の良い回答をするべきなのか。
双方にメリットとデメリットがありますので、まずはそれぞれについて見ていきましょう。
正直に空白期間の理由を説明する場合
正直に言うメリットは、誠実さをアピールできることです。
人間どうしても嘘を付くと後ろめたい気持ちが出てきてしまい、姿勢も俯きがちになり目線も下がります。
面接官も今までに何人もの人達を見てきているわけですから、そういう態度は一発で分かってしまうんですよね。
ですから、よっぽど演技に自信があって嘘の理由を押し通せる人でなければ、ここは正直に話した方がいいでしょう。
その際は離職していた期間のことを「自分にとっては必要だった」と肯定的に捉えるといいですね。
(この記事の上の方に書いた「何もしていなかった場合の解答例」も参考にしてください。)
空白期間の理由で嘘を言う場合
予想外の質問を受けた際に動揺しない演技力のズバ抜けた人や、深く突っ込まれた際に機転を利かして答えられる人であれば、嘘の理由を貫き通した方が良い場合もありますね。
たとえ空白期間にダラダラ過ごしていたとしても、「資格の勉強をしていました」と言い切って信じさせる事が出来ればより印象は良くなります。
ただデメリットとして、もし嘘がバレてしまった場合は大きく印象を下げる事になるためかなりリスキーです。
転職活動を上手く進めていく方法
ブランク期間があるのであれば、自分1人で転職活動をするよりもきちんと転職エージェントを使った方が無難です。
やはり、ブランク期間が無い人よりも不利だという事には変わりが無いため、戦略的に立ち回る必要が出てきます。
転職エージェントは職務経歴書の作成から面接対策などを行ってくれますし、さらにあなたにマッチした求人を無料で紹介してくれる仲介サービスです。
プロのアドバイザーがあなたに付いてくれるので、自分に合った転職活動の方法が見えてきます。
時間が経って忘れているであろう面接でのマナーや空白期間の説明の仕方なども詳しく教えてくれるため、自分1人で転職活動をやるよりもかなり有利になります。
求人探しも膨大な数の中から見つけ出すのは困難ですが、転職エージェントを使えばきちんとプロの目線であなた用に厳選した求人だけを受けられるため、転職活動の効率も大幅に上がります。
独自求人も多いですし、企業側が費用を負担しているため利用者側の負担は0円です。
ブランクがあるというハンデを打ち消すためにも、こういったサービスの利用は必須でしょう。
それに、同じ求人であっても転職エージェントを介した方が条件が良くなる場合が多いため、入社した後もずっと有利な状況が続きます。
ですのでまずは、転職エージェントを利用するところから始めてみると良いですね。
転職エージェントは、国内最大手の
と、外資系に強い
あたりを使えば良いでしょう。
この2社で国内・外資どちらの求人にも対応出来ます。
(外資系に興味がないなら、リクルートエージェントだけでOK)
3社も4社も登録してしまうと、対応が追いつかず逆に非効率になるので注意してください。
まとめ
たとえブランクがあったとしても、転職エージェントを使うなどして上手く立ち回れば転職活動は難しい話ではありません。
幸い今は人手不足の影響で会社も採用に積極的ですから、今のうちに動いた方がいいでしょう。
これからまた就職(転職)氷河期に再突入してしまう可能性もあるため、早めに行動した方がいいかもしれません。
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