「体調管理も仕事のうちだ!」
という言葉、一度は言われたり耳にしたことがあると思います。
私はこの言葉を聞くたびに頭の中でハテナマークが浮かびます。
目次
長時間労働などの過酷な労働環境を放置しといてよく言うよ
人間はロボットではありません。
どんなに体調に気を使ってようが、病気になってしまうことはあります。
それなのに病気になったが最後

と言われるのは納得できません。
過酷な労働環境を放置しておきながらよく言うよと思います。
たとえホワイトな職場であったとしても風邪をひくことはありますし、100%防ぐなんて不可能。
おそらく会社の言い分としては、病気で休まれるよりも出社してくれた方がその分労働力が確保出来るから言っているのでしょうが、言われた側はたまったもんではありませんね。
「体調管理も仕事のうち」とか言う言葉を吐く前に過酷な労働環境をどうにかしろと思います。
体調管理も仕事のうちという言葉の本来の意味
そもそもこの「体調管理も仕事のうち」という言葉は、仕事から帰った後にお酒を飲みすぎて二日酔いの状態で出社したり、前日寝不足で仕事中に居眠りするような社員に向けて言われていた言葉です。
これがいつからか経営者が悪用するようになり、病気という不可抗力な部分に対しても言われるようになってしまいました。
そのうち社員ですらも当たり前のこととして捉えるようになってしまい、病気にかかった同僚に対しても上記の言葉を言う人もいますね。
労働者が労働者に対して「風邪とか笑。体調管理できてないなぁ」などと言う始末。
経営者にとってはしめしめといったところでしょうか。
病気で休むことに対して罪悪感を与えてくる
日本人が周りの目を気にして病気で休みづらいのって、それはつまり休むことで周りから白い目で見られるからですよね。
ではなぜ休むと白い目で見られるのかということを考えると、1人が幅広く仕事をこなす業務形態にあるのではないでしょうか。
海外ではしっかりと仕事が細分化され振り分けられていますので、誰かが休んだところで穴埋めは簡単です。
しかし、日本では1人に対して実に様々な仕事が与えられているため、その人に休まれてしまえば代わりの人が対応に追われることになります。
まず「休んだ人が普段どんなことをしていてどこまでのことをやっていて今どんな状況なのか・・・」というところから把握しなくてはいけませんから、休まれると本当に大変です。
だから穴埋めをさせられた人は「休むなよ」と文句の一つも言いたくなってしまうわけですね。
そして自分もそういったことを経験しているか、人の話かなんかで聞いているから余計に罪悪感を感じて休みづらくなってしまうと。
ただ、経営者からしてみれば日本人の働き方の方が自分は楽できるでしょうね。
責任をマネージャーや休んだ人に押し付けることができますから。
村社会日本の悪しき風習が早くなくなって欲しいものです。
病気になったら絶対に休んだ方がいい
病気になったらまず体調の回復が最優先です。
体調不良では仕事のパフォーマンスが低下します。これは当たり前の事実。
些細なミスも増えるでしょうし、頭も普段よりは回りません。それによって他の人に迷惑をかけてしまうこともあるんですよ。
他にも無理やり出社することで会社に病気を広めてしまったらどうします?通勤電車では見ず知らずの人に移してしまう可能性だってあります。
体調不良なのに出社するメリットなんて皆無なんですよ。
海外では病気になったら休むのが当たり前
日本では病気になっても出社するのが当たり前ですが、海外では休むのが当たり前です。
文化の違いだという声も聞こえてきそうですが、上記にも書いた通り体調不良で出社するメリットなんてありません。
それでも日本で働く以上は周りの目が気になって休めないかもしれませんね。
病気を他の人に移してしまうリスクよりも会社に出社することを選ぶ日本人が多い以上、休めば周囲から嫌味の一言でも言われてしまうかもしれません。
言われなかったとしても心のどこかで罪悪感を感じたりと、まだまだ「休むことが当たり前」と捉えられない人も多いです。
そういったときは下記記事を参考にしてみてください。
終身雇用が機能していた頃に働いていた人が今の上司である以上すぐには変わらない
テレビで「24時間働けますか?」という栄養ドリンクのCMがながれるほど過酷な労働環境が正当化されていた時代もありました。
でも、この時代って「頑張れば頑張るほど報われる時代」だったんですよね。
終身雇用が機能していた頃で、年をとれば勝手に昇格し給料も上がっていった時代。
これなら会社に対しても愛着が湧くでしょうし、この時代を生きた人は病気になったとしても奉仕の精神で頑張っていました。
しかし現在では、こうした過酷な労働環境はそのままに、年をとるだけでは昇格できないようになり給料も上がらない時代になっているんです。
それなのにこの年代を生きてきた今の上司はそれを当然のように部下に押し付けるわけです。
その結果が、「体調管理も仕事のうち」という言葉なんですよね。
残念ながら年をとってしまうと価値観が固定されていってしまいますから、こういった言葉を投げかけてくる上司に理解してもらう事は難しいでしょう。根性論がまかり通っていた時代ですからね。
昔はそれで幸せになれたが、今はそうではない。
それなのに昔の価値観を押し付けてくる人は時代の変化が分かっていません。
自分の身体を守れるのは自分だけです。病気が悪化しても上司は助けてくれないんですよ。
こうした上司の、

という言葉を素直に聞いていては身体をぶっ壊してしまうので、堂々と休みましょうね。