ひと昔前であれば、会社内で結婚相手を見つけるという、いわゆる「社内恋愛」は当たり前でした。
会社の採用担当も、女性の採用者は「社内の男性たちのお嫁さん候補」という目線で採用していた会社が数多く存在していましたね。
女性は会社内で結婚相手を見つけて寿退社し、専業主婦になるのが大多数。
男女ともに、「結婚相手は職場で見つけた」という人がほとんどでした。
しかし、段々とそういった社内恋愛は下火となり、今では耳にする機会も少なくなってきました。
一昔前と違って「セクハラ」や「パワハラ」が大きく騒がれるようになった結果気軽に異性に声をかけ難くなっていますし、インターネットの発展によって社内恋愛のリスクが知れ渡ってきたりと、今と昔では状況が大きく違います。
「男性の草食化」なんて言われたりもしますが、これは今の現状に名前を付けただけであって、実際に男性の性質に変化があった訳ではありません。
今回の記事では、それらの事も踏まえた上で「社内恋愛が下火となった理由」と「社内恋愛におけるリスク」についてまとめていきます。
社内恋愛が廃れた理由
では一体、なぜ社内恋愛が下火となって来ているのでしょうか。
冒頭でも少し書きましたが、主に
- 「セクハラ」や「パワハラ」が大きく騒がれるようになった
- 不景気で給料が上がり辛くなった結果、男性が結婚に気後れするようになった
- インターネットの発展により、社内恋愛のリスクや失敗談などが広く知れ渡るようになった
という3つの原因が考えられます。
1つずつ見ていきましょう。
「セクハラ」や「パワハラ」が大きく騒がれるようになった
一昔前と違って「パワハラ」や「セクハラ」という言葉を本当に良く耳にするようになりました。
特に厄介なのが、「基準はその人次第」という点。
程度はどうであれ、その人がパワハラやセクハラだと感じればそういう事になってしまうんですよね。
中には、「髪の毛切ったんですか?」と言っただけなのにセクハラ認定されてしまった人もいます。
こんな世の中では、下手したらただ挨拶しただけなのにセクハラだと言われるかもしれませんね。
パワハラも同じで、相手次第でいくらでも受け取り方が違うため、自分にとってはそんなつもりが無くとも相手が「パワハラだ」と思えばパワハラだという事になってしまうんです。
例えば部下が異性の上司から飲みに誘われた場合、たとえ行きたくなかったとしても「上司だしな・・・」と断り辛いため、「上司の権限を利用したパワハラ」になる可能性があります。
LINEを送ったり食事に誘ったりしても、ふとしたことがきっかけで相手に不快感を与えてしまえばセクハラだパワハラだと騒がれるかもしれません。
相手が嫌がっていると気付かずにアプローチして会社内で問題になってしまえば会社を辞めざるを得なくなってしまいますし、そうなれば今まで築き上げた地位も昇給した給料も全て失ってしまう事になります。
こんな世の中になってきていますから、そりゃ一昔前と同じように気軽に異性を食事に誘ったりなんて出来なくなりますよね。
不景気で給料が上がり辛くなった結果、男性が結婚に気後れするようになった
日本は好景気なんて言われたりもしますが、その実態は不景気です。
会社に勤めている人であれば「給料が上がりにくい」という事は痛いほど実感していると思います。
実際、平均年収や年収中央値は年々下がり続けており、一昔前のような「一億総中流」なんてものは過去の話となってしまいました。
さらに「終身雇用の崩壊」や「非正規雇用の増加」なども伴って男性が金銭的に自信を持てなくなってしまったため、多くの男性が恋愛に対する積極性を失ってしまいました。
やはり恋愛や結婚となると多くのお金が必要となってきますから、男性の年収が低ければ
- 「こんな年収じゃ相手にされないだろうな」
- 「結婚してもこの給料じゃ養っていける自信がない」
- 「独り身の今でさえ金銭的にギリギリなのに、結婚なんて出来る訳がない」
といった考えになってしまいますし、女性からしてみても給料の低い男性は結婚相手としてはあまり魅力的ではありません。
こういった背景もあって、社内恋愛の下火に拍車がかかっています。
インターネットの発展により、社内恋愛のリスクや失敗談などが広く知れ渡るようになった
今の時代、インターネットを使えば多くの情報を手軽に素早く集めることが出来ます。
その結果社内恋愛の失敗談やリスクについてなども簡単に知ることが出来るようになりましたから、「やっぱ社内恋愛って失敗すると怖いよね」と気後れする原因になっているでしょう。
「社内恋愛なんて、しなきゃよかった」
なんて書き込みや体験談などもすぐに広まるので、ふとした機会に目にすることもあります。
リスクが多い社内恋愛が下火となってきているのも当然の結果だと言えるでしょう。
社内恋愛におけるリスク
では、社内恋愛におけるリスクには一体どのようなものがあるのでしょうか。
気になって仕事に集中できない
まずはこれでしょう。
好きな異性や、すでに付き合い始めた異性であっても、同じ会社にるというだけで常に気になってしまいます。
本来は仕事に集中しなければいけないのに、頭の中がその人のことだらけになって仕事が手に付かなくなりますね。
ミスをすれば「悪い印象を与えたかも」と気になりますし、ほかにも自分で何か企画を考えたとしても「あの人はどう思うだろうか」など、常に意識はそっちの方向。
足音がすれば「あの人かも?」と意識し、ほかの異性と喋っている姿を見かけただけでも嫉妬の感情に支配される事になります。
これでは仕事の能率なんてガタ落ちですし、良い影響なんてあるはずもありません。
周りにバレるリスク
周りに隠そうと思っても、大抵の場合はバレてしまうものです。
自分の立場に置き換えて考えてみても、すでに良い雰囲気になっている男女や、付き合っている男女というのは何となく雰囲気や会話の様子などで分かってしまいますよね。
周りにバレてしまえばさらに仕事がやり辛くなりますし、周囲の目線がストレスになったり、冷やかしなども受けるかもしれません。
「そんなの気にしない」という図太い人なら良いかもしれませんが、常に周りから接しづらそうされるのは結構辛いものがあります。
別れた後気まずい
そして一番厄介なのが、上手くいかずに別れてしまった場合です。
社内で付き合いその後別れてしまったらどうなるかは、想像に容易いでしょう。
すれ違うだけで気まずいですし、他の異性と仲良く喋っている姿を見ただけでもどうにかなりそうになります。
さらには周りからも「あの人とあの人は付き合っていたけど別れた」みたいな噂が飛び交い、社内での居心地は最悪。
社内恋愛していたカップルは大抵、そういった環境に耐えきれなくなってどちらかが会社を退職してしまいます。
学生時代と同じ感覚で軽い気持ちで付き合うと、後々痛い目をみる可能性が高いでしょう。
もし社内恋愛をするのであれば会社を辞める覚悟か、その人と結婚する覚悟が必要です。
まとめ
社内恋愛はリスクが高いため、「最悪別れて会社を辞める事になっても良い。それでもこの人と付き合いたい」と思えるような人でなければ止めておいた方が無難です。
出会いを探すのであれば、会社と全く関係のない場が好ましいです。
最近であれば、マッチングアプリを使って恋人を見つける人が増えてきていますね。
それだけ、社内恋愛の危険性というものが認知されるようになってきたという事でもあります。
マッチングアプリであればたとえ別れたとしてももう二度と強制的に顔を合わせる機会はないですから、安心して行動出来ますね。
であれば年会費、登録共に無料ですし、匿名でも利用できます。
社内恋愛は本当にリスクが高く、別れてしまうと社内でも「あの人は一悶着あった人」という印象になって出世も不利になりますし、居づらくなって会社を辞めてしまえば今まで築き上げた地位や実績、上がった給料なども全て失ってしまう事になります。
そうならないためにも、やはり会社とは全く関係のない場で出会いを探していきましょう。